デザイナーさんと面談。


カフェでデザイナーさんを待つ。

革靴の音に目を上げる。

ん?

おやおや、目にまぶしいショッキンググリーンのパンツが歩いてくるよ。
オールバックの艶髪にサングラスだよ。

ジゴロを呼んだ覚えはないけど?。

イタリアの伊達男みたいなこのひとがデザイナーのマッシモ氏(仮名)だった。





帰ろうかな、と、ちょっと思った。
でもすでにマッシモ氏は服飾への深い愛を語り始めていた。

わたし、おずおずと
「あのう、あたしみたいなずんぐりむっくりがフルオーダーしちゃっていいんでしょうか?」

マッシモ氏の顔色が変わった。

「ずんぐりむっくりだからって、きれいなものを着てみもしないで諦めるんスか?
ずんぐりむっくりだろうがなかろうが、関係ないっスよ!」

♪ずんぐりむっくりずんぐりむっくり
COMPLEXのBE MY BABYのイントロにのって、ずんぐりむっくりが脳内ヘビロテ。

はっ!しっかりしなくちゃ!
マッシモ氏がなんかしゃべってる。

マッシモ氏によると、まずは紺の仕立てのいいジャケットを1着、らしい。
「女の方って、イベントの度に服買うけど、
インパクトありすぎのデザインだと結局タンスの肥やしになりがちじゃないスか。
紺のきれいなジャケットなら、合わせ方でシックにもゴージャスにもなりますし、
仕立てのいいものはどこに着て行っても恥ずかしくないっスよ。
体型変わったらお直ししますし。一生もんっスよ」

なるほど!いい歳して20代の頃と同じお店に買いに行って、すごい違和感感じてたよ。
ファッションはいつ大人になるんだろうと思ってたけど、今、今なのね!

「着ない服の山に埋もれるより、誰が見ても素敵でどこにでも着ていける
『鉄板の一着』があった方が、豊かだと思いませんか?
僕ら、服を売るだけじゃないんス。美意識を提案してるんス」

マッシモ氏、うさんくさいけど良いこと言う。



その3「採寸」に続く